啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

7学会が緊急記者会見:日本版NIH構想

 日本の7つの生命科学関連の学会が、日本版NIH構想について、基礎研究についても十分な支援が必要であるとの見解を記者会見でしめしました。
7つの学会は、日本生化学会、日本癌学会、日本細胞性物学会、日本免疫学会、日本神経科学学会、日本ウィルス学会、日本分子生物学会です。

 NHK共同通信が、2013年6月10日(月)付で報道されました。


NHK
アメリカの国立衛生研究所=NIHにならい、医療の研究開発の司令塔として創設が議論されている「日本版NIH」について、医療や生物学に関わる7つの学会が緊急
声明を発表し、実用化が期待される分野に限らず基礎研究に対しても幅広い支援を行うよう訴えました。
 政府は経済の成長戦略の柱の1つに医療産業を位置づけていて、アメリカの国立衛生研究所=NIHにならい、薬や医療機器などの研究開発の司令塔として、予算を一元 的に管理する日本版NIHの創設を議論しています。これについて日本癌(がん)学会など医療や生物学に関わる7つの学会は10日、記者会見し、緊急声明を公表しました。
 声明では日本版NIHの創設は「優れた医療技術の創出に大きく貢献することが期待される」とする一方で、実用化が期待される再生医療などの分野に研究予算が集中しすぎる懸念があるとしています。そのうえで、「長期的に次々と産業化に結びつけるには、間口の広い基礎研究が不可欠だ」として、基礎研究に対しても幅広い支援を行うよう訴えています。
 記者会見した日本生化学会の石川冬木会長は「iPS細胞のような重要な発見の多く
は、知的好奇心に基づく基礎研究が元になっている。今回の声明を施策に生かしてほしい」と話していました。政府は、日本版NIHの構想を含む経済の成長戦略について議論を進め、今月14日に閣議決定することにしています。」
(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130610/k10015202731000.html)


共同通信「日本版NIH創設で学会が声明 基礎研究縮小の懸念」
 「生命科学研究の予算配分に強力な権限がある米国の国立衛生研究所(NIH)の日本版を創設する政府方針を受け、国内の関連7学会は10日、基礎研究予算の縮小につながる恐れがあるとの懸念を表明した。
 厚生労働省で記者会見した日本生化学会会長の石川冬木・京都大教授は「日本版NIHをつくることに反対ではない」としつつも「(在り方を議論する)政府会議の議事録を読めば、最初から実用化を目指すわけではないタイプの基礎研究が削減されると誰もが思うだろう」と指摘した。」
(http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013061001002003.html)