啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

クリック博士の「DNA二重らせん構造」発見のノーベル賞メダルが競売へ;25万ドルから

 「DNA2重らせん構造」発見から50周年記念の大きなシンポジウムがパリで開催された時、日本から松原謙一先生と教授の2人が招待され、クリックご夫妻やワトソンご夫妻と、ディナーなどをご一緒にしたことを覚えています。
 その後、ワトソンご夫妻とはコールドスプリングハーバー研究所やベニスなどで何度がご一緒する機会に恵まれましたが、クリックご夫妻とはそれが最後であったと思います。
 とくに、パリの夜、ベルナルディ博士のご自宅からホテルに戻る時、クリックご夫妻がタクシーの後ろの座席に、教授が助手席に座って、約30分ほどご一緒したことを懐かしく思い出しました。
 そのクリック博士のノーベル賞メダルが競売に掛かるということで、少し衝撃を受けています。
 いや、競売なら、何とか日本の大富豪にお願いして落札させ、科学博物館か遺伝研にぜひ展示ができないかと思います。
 おそらく、値がつかないほど、世界中から「バイヤー」が殺到することが予想されます。
<引用:「ノーベル賞メダル、競売に 入札25万ドルから」日経新聞電子版 2013/2/26 11:20 配信>
「DNAの二重らせん構造を発見した英国出身の分子生物学者、故フランシス・クリック博士が1962年に受賞したノーベル生理学・医学賞のメダルが、4月にニューヨークで競売に掛けられる。主催する米ヘリテージ・オークションズが25日、発表した。」
「入札開始価格は25万ドル(約2300万円)。ノーベル賞メダルの競売は約70年ぶりという。遺族はヘリテージを通じ「今年はDNA構造の発見から60周年。メダルが次世代の科学者を鼓舞してくれることを願う」とコメントした。」
「クリック博士は、米国人のジェームズ・ワトソン博士と共同で53年、DNAの構造を発見し英科学誌ネイチャーで発表。もう一人の英学者、故モーリス・ウィルキンス博士を含む3人で62年の同賞を共同受賞した。クリック氏は2004年に死去した」。
 「クリック氏が受けたメダルのほか、ノーベル賞の賞金の小切手や白衣も競売に掛けられる。(ニューヨーク=共同)」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2600A_W3A220C1CR0000/