北原ミレイさんの「ざんげの値打ちもない」というこの曲は、故阿久悠氏の作曲で、ナレーションによると、氏がその年のレコード大賞作詞賞に自信を持って選ばれると思っていたところ、北山修氏の「戦争を知らない子供達」に持って行かれたといういわくつきの曲とのこと。
確かに、「ざんげの値打ちもない」という曲は、「戦争を知らない子供達」という曲に比べれば、反社会的な叙情がありすぎたのかもしれません。
なお、通常4番までしかない「ざんげの値打ちもない」という曲ですが、実際のレコーディング時には5番まであったそうです。本来の4番目の歌詞が、あまりに先進的であったという理由で直前に削除されて、全部で4番の歌詞になったわけです。
その幻の4番目の歌詞が、以下です。
「あれは何月、風の夜
とうに二十も過ぎた頃
鉄の格子の空を見て
月の姿がさみしくて
愛と云うのじゃないけれど
私は誰かが ほしかった」