啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

知徳(智徳)

 話を慶応大学に戻しますが、初版が1875年(明治8年)に刊行された「文明論之概略」(ぶんめいろんのがいりゃく)は福澤諭吉の全10章からなる著書で、「知徳」が盛んに議論されています。たとえば、第四章「一国人民の智徳を論ず」、第六章「智徳の弁」、第七章「智徳の行わるべき時代と場所とを論ず」となっています。
 「徳とは徳義ということにて、西洋の語にてモラルという。モラルとは心の行儀ということなり。一人の心に慊くして、屋漏に愧じざる者なり。智とは智恵ということにて、西洋の語にてインテレクトという。事物を考え、事物を解し、事物を合点する働きなり」と解き、知徳こそが文明という(引用註)。

引用註:「最後のサムライたちの塾」より(http://www.geocities.jp/sidoukansonjyuku/jyuku/yukichi36.html