啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

Genaport社のGeniaレポート

「Oxford Nanoporeを追いかけるGeniaのナノポアシーケンサー」(2012年03月05日 掲載)という見出しのgenaport社の以下のレポート(一部抜粋)が非常に参考になります。

「Geniaの技術の売りは、ナノポアシーケンシングとIon TorrentのCMOSチップ技術を合体させた点である。Oxford Naporeは受動的センサーアレイを用いているが、GeniaはCMOS技術を用いているので、ナノポアの集積度を上げることができる点が有利である。
 
Geniaの技術は、DNAがマイナスに荷電していることに着目して、電気的にナノポアに配置させ、ポア通過速度も電気的に制御できることが特徴である。DNAがナノポアを通過する速度を制御できるだけでなく、DNAのナノポア内での前進後退も可能であるので、同じDNAを何度も読むことができる。このような技術によりリード精度を向上させることを狙っている。

 ただし、1秒あたりに解読できる塩基数は、Oxford Nanoporeの1/20〜1/400なので、全体としてのスループットでは、GeniaとOxford Nanoporeとの間では大きな差がないように思える。なお、まだモデル実験だけでなので、配列決定エラー率についてはまだわかっていない。

<今後の展開について>
 Geniaは社員数が15名程度の小さなベンチャー企業であるが、Life Technologiesの出資を受けている。したがって、Life Technologiesの傘下にあるIon Torrentとの協業によりナノポアシーケンサー開発が加速化され、Genia CEOのStefan Roever氏が目指す2013年内のシーケンサー発売も可能であろう。

 一方で、IlluminaはOxford Nanoporeに出資していることから、今後Oxford Nanoporeとの競争についても目が離せない。本格的なナノポアシーケンサー利用の時代も間近に迫ってきた。」

(引用:http://genaport.genaris.com/GOC_sequencer_post.php?eid=00048

(参考:http://geniachip.com/