啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

招待講演者の方々



 小林武彦・庶務幹事の開会の言葉から、シンポジウムが始まりました。
 司会は、全体を通して、真木・会計幹事が行いました。

 招待講演者の方々を示しておきましょう。(発表時の写真は、招待講演者のお一人のDr. Partha P. Majumderの撮影によるものです。:All the pictures shown here are taken by Dr. Partha P Majumder, the Director of NIBMG, India.)



 (1) Chung-I Wu, Director, Beijing Institute of Genomics, CAS, Beijing, China
 "Recent development of Beijing Institute of Genomics and importance of data analysis"という題目での講演でした。
 いつもながら、迫力ある講演でした。
 特に、この研究所から独立分離して、深センにてPrivate sectorとして巨大な組織となったBGI (Beijing Genome Institute)との関係や、そこでの発展のあり方なども話してくれました。
 一歩間違えば、政治性の極めて高い状況も存在するようで、中国国内の体制については、非常に慎重な論調でした。
 彼の研究所の巨大なビルが、ちょうど北京オリンピック会場近くのCASキャンパスの入口付近にちょうど建設中で、まもなく完成しそうなところです。
 現在も、シカゴ大学の教授を兼任しており、以前約10年間ほど、シカゴ大学でDepartment Chairなどを歴任していました。





(2) Mohamad bin Osman, President, Genetics Society of Malaysia
 "Genetics Society of Malaysia and its activities"と題しての講演でした。
 マレーシア遺伝学会の会長として、学会活動の紹介を中心に講演をしました。
 まだ設立15年目で学会員数も250名程度のようですが、非常にポテンシャルの高い学会のようです。
 特に、若い優秀な人材が豊富なようです。





(3) Hong Gil Nam, Special Professor, Pohang University of Science and Technology, Kyunbuk, Korea
 韓国にたった10人しか任命されていないSpecial Professorsの一人。
 毎年1億円(日本円換算)程度を無条件に10年間受けているとのことです。
 確かに、彼の大学のLife Science Departmentのビルには、Nam教授の顔写真の載った大きな垂れ幕がかかっていて、若いながらも大学だけでなく韓国においても超有名人です。
 ゲノム分野に大きな研究開発資金を呼び込もうと、韓国政府との交渉に入っているとのことです。大統領府と直接話せる数少ない韓国研究者の一人との評判でした。


(4) Partha P Majunder, Director, National Institute of Biomedical Genomics, Kyungbuk, India
"A perspective of NIMBG and Indian activities in genetics and genomics"という題目の講演でした。
 彼の研究所には、インド政府が約30億円(日本円換算)を投入して昨年設立された新しいバイオメディカル・ゲノミクスの研究所です。インド政府期待の研究所でしょう。
 コルカタ(旧カルカッタ)郊外に、現在巨大な最新鋭のビル(DNA2重らせんを型どった建物)が建設中です。
 インドのISI (Indian Statistical Institute: インド国立統計学研究所)は、JBS Haldaneが設立したこともあり、遺伝学のメッカでもありました。Partha P Majunderは、そのISIからの独立です。
(彼が写真を撮ってくれたのに、彼自身の写真がないわけです。失礼しました。)




(5) Tzen-Yuh Chiang and Chi-Chung Hwang, Professors, National Cheng Kung University, Taiwan
Professor Tzen-Yuh Chiang が代表して講演しました。
 "Life Science in NCKU and importance of education"という題目でした。
 台湾は台南市にある有名大学。台北市の国立台湾大学と並んで台湾の2大有名校と称される大学です。
 最近、台湾政府から5年間で1500億円もの大量な資金を、COEとして大学全体で獲得。Hwang学長は、工学部の出身ながら、ライフサイエンス特にゲノム分野の発展にその資金の大半を投入するとのことです。
 実際、新しい大きなライフサイエンスのビルの建設がまもなく始まるります。





(6) Wen-Hsiung Li, Director, Research Institute of Biodiversity, Academia Sinica, Taiwan)
"Biodeiversity research and its perspective of the future"という演題での講演でした。
 米国のシカゴ大学の教授も兼任。米国の科学アカデミー会員の一人。
 台湾国内では、米国アカデミー会員はわずか数人で、そのうちの一人。
 台湾政府にも大きな影響力をもつようです。台北市のアカデミア・シニカのキャンパスで一番新しい巨大なビルがまもなく完成。引越しの大移動が大変だとのことでした。