啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

アルトハイデルベルグ

  一昨日この日記で述べたマイヤー・フェルスター作の戯曲「アルト ハイデルベルグ」、そして太宰治の「老ハイデルベルヒ」。ネッカー川に浮かぶ観光船の名前が「ALT HEIDELBERG」でした。ここでは、いわゆる一般名詞のハイデルベルグ旧市街という意味でしょう。
特に、太宰治の「老ハイデルベルヒ」では、三島がハイデルベルグに例えられています。マイヤー・フェルスター作の戯曲を捻ったもので、この原作が分からなければ、何で三島が舞台の小説に太宰が「アルト ハイデルベルグ」流の名前をつけたのかは、皆目分からない感じ。
 おそらく、この小説の中には青春恋愛の部分などほとんどないのですが、わずかに出てくる高部佐吉の妹が好きだったんでしょう。恋多く若き太宰の三島での迷い愛のひとつだったのでしょうか。