時間切れで、学会発表したり、学位論文を作成したりせざるを得ないため、もともとまとまりのないデータを何とかまとめようとしてしまうのです。
川の魚を追うように、最初からバシャッバシャッといろいろな調べに行って得たデータなどが、まとまる訳などありません。
それでも敢えてまとめようとすると、主要なストーリーから外れ、また議論もできないような多くのデータをどうしても捨てざるを得ません。
実は、不要なデータを捨て切る勇気を持っているのは、まだいいほうです。不要とは言え、自分が心血を注ぎ多くの時間を費やして出したデータなので、何とかしてすべてのデータを論文に取り込もうとするのが人情です。
このために、しっかりとした肉太の焦点(論文のパンチラインとも言いますが)をすっかり諦めてしまい、薄ぺらさを覚悟の上で、よくてオムニバス的な記載だけの論文で終わるか、悪くすれば論理構成が全く成立しえないままの悪い論文作成となり、四苦八苦するのです。
まして、そのような状態で、科学的な大発見は望むべきもありません。