啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

目的なき合目的性

 イエスとノーを同時に言うコケットリーの究極の応用編が「二人で会いたいのに、あえて三人で会う」で、それが密会の極意らしい。
 カントが芸術を定義して「目的なき合目的性」というように、そのようになった男と女の関係が最高の魅力ある関係という。
 そういえば、ある絵画を見て、「きっと、喜びの叫びよね。」という鑑賞者もいれば、「死に対する恐怖の叫びでしょう。」と独りよがりの解釈をする人もいますね。でも、絵画の作者は、単に「あくびをしている」状況を絵にしただけかも知れません。その意味では、絵画などの芸術では、目的はないのに、合目的性が語られます。皮肉的にいえば、すべて「誤解」なのかもしれません。