啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

タイバー大学 (Taibah University at Madina)

サウジアラビアの教授の大学であるアブドラ国王科学技術大学(KAUST)は、ジッダというサウジアラビア第2の都市から約80mm
はなれているツワール(Thuwal)という街にあります。以前は単なる小さな漁村でしたが、KAUSTができたおかげで超急速な発展が起こり、立派な街に成長してきています。
このツワールから北西に約400km離れたところに、イスラム教のメッカと並んで2大聖地のひとつであるメディナ(Madina)という都市があります。このメディナに今から13年前の2003年頃に設立された新しい大学が、ダイバー大学(Taibah University)です。
新しいとはいえ、抱える学生の数は75,000人となっています。日本からしたら驚くべく学生数です。そうなんです、サウジアラビアの総人口の平均年齢は、なんと27歳。みんな若いんです。だから、大学もたくさんいるのです。ただ、このような国立大学の授業料などはすべてタダ。経済不況と言いながらも、この状況は説明に瀕するほど国が豊かということ。
このタイバー大学の助教授(Assistant Professor)の方からの共同研究依頼があり、メディナから飛行機で教授のKAUSTまで飛んで来てくれました。お陰で、サウジアラビア国内の大学の最近の様子が、段々分かってきました。原油不況が続く中、やはり研究費の確保が急務なようです。この助教授の方は、大学からベンチャー企業を数ヶ月前に立ち上げ、自力で研究費の確保に向かうと言っていました。
それにしても、アブドラ国王科学技術大学(KAUST)の学生総数はわずか850人で、毎年200人程の学生しか取りません。また、ファカルティという教員は約160名しかおりません。これは、KAUSTが修士課程と博士課程しかない大学院大学であることを考慮しても、また毎年の学生の応募者が8,000人であることから、世界の最難関校に数えられていることが分かりますし、大学のキャンパスの広大きさや規模の大きさからすると、以下に例外的が分かります。
また、2016年の「Nature Saudi Arabia」のインデックスによると、サウジアラビアから発表された全学術論文の75%が、KAUSTからの発表によるものでした。