啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

時刻表

「時刻表」とは、英語で「タイム・テーブル(Time Table)」といいます。テーブルは、食卓のことも意味しますが、「表(ひょう)」を意味します。
現在では、ほとんどがインターネットで無料で思いの路線の鉄道や空路などの必要とする時刻表が出てきますし、「駅スパート」のようなアプリで、接続路線や異種間交通の乗り換えまで出てくるので、「時刻表」を見ることはほとんどなくなりました。
しかし、新幹線の三島駅ホームのコンビニで、縦積みの各種時刻表を発見。中型の時刻表1冊で500円以上もしましたが、なぜか買ってしまいました!どこかに、「旅情」を感じてしまったのでしょう。
実際、「鉄ちゃん」ではない、時刻表マニアが多くいることが知られています。
松本清張氏の推理小説の古典名作の一つ、「点と線」。福岡県の香椎(かしい)というところを舞台として起きる殺人事件でした。確か、東京駅の一番ホームから一番遠くに離れたホームまでを全て見通せる一瞬、1日でもその瞬間しかない時間の間隙を故意に利用して、後に証人となるであろう人物に自分を見せてアリバイ工作するトリックは、時刻表をトコトン読み込んだ人物だけが目論める高度に知的な殺人事件の小説でした。
新幹線の中で目的もなく時刻表をめくってみると、留めなく湧き出る旅情どころか、この推理小説の内容を反芻(はんすう)して真剣に思い出そうとする自分に気づき、いつまでたってもロマンチックな旅は無理な自分を自己認識した次第でした。


(写真は、三島駅の新幹線ホームのコンビニにて買い求めたもの。)