啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

"Arabia Felix" 「アラビア・フェリックス」

"Arabia Felix: (Happy Arabia!)"とは、古代のアラビア半島の南は古代南アラビア王国と呼ばれ、非常に栄え、ギリシアなどのヨーロッパから羨望の眼差しで、「幸福なアラビア(Happy Arabia!)」と呼ばれたといいます。Felixとは、ラテン語で「happy (幸せな)」という意味ということです。
エジプトのアレキサンダー図書館の書物が暴君によって焼く尽くされたとき、その膨大な大部分がアラビア語に訳され南アラビアに渡ったそうです。ちょうどルネッサンスが勃興する前、そのアラビア語に翻訳した文書を求めて多くのヨーロッパ人が南アラビアに向かいました。
「…これを総称して古代南アラビア王国というが,その絶対年代については定説がなく,最も古いサバ王国は,その王の名がアッシリアの碑文に現れる前8世紀末以前に建国されたとされるが異説もある。古代南アラビア王国は灌漑農業と,ハドラマウト特産の乳香のほか,インド,東南アジアからもたらされた香料を地中海世界に運ぶ遠隔地通商によって栄え,その豊かな香料のゆえに,古代ギリシア・ローマの著作家は南アラビアを〈幸福なアラビアArabia Felix〉と呼んだ。古代南アラビア王国は,神殿を主とする巨大建造物ならびにダムその他の灌漑施設の遺跡と,のちのアラビア文字と異なる文字で記した多数の碑文を残す。…」