啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「無」から価値を産む芸術家の凄さに敗北感

 木村画伯の作品を見ながら、真っ白なキャンパスという「無」から、人の心に感動を与える「価値」や実際上の価格としての「価値」を生み出せる芸術家には、科学者はとてもかなわないような敬意に満ちた敗北感のよなものを感じていました。
 自分の何倍もあるような真っ白なキャンパスに絵を描き始めるときには、そのど真ん中に立って、描き筆をポトンと落とし、そこを原点として一気に作業の全行程に入るとの説明を木村画伯から受けたとき、自身の研究に真摯に向き合って来たと思っていた自身の自信や自負のようなものが一瞬に吹っ飛び、まさに得も言えない敗北感に陥ったのです。