「超」という言葉から思い出す英語は、「Ultra」(ウルトラ)かも知れません。ひと昔前なら、国際体操競技での「ウルトラC」とか、「ウルトラマン」といった言葉に人気がありました。
「ウルトラマン」は、すでに知られすぎた「スーパーマン」を使わずして同じように属性をどう表わすかと悩んだのでしょうが、それにしてはよく考え出された造語だと思います。
それはさておき、「Ultra-」は基本的には接頭語なので、何かの形容詞や名詞の前において、それこそ「超+何々」という意味で用いられます。
しかし、「超」は、「何かの限界や基準を超える」ということはすぐにわかるのですが、もし量で表すとすると、「上限」を遥かに「上」にこえるのか、「下限」をはるかに「下」に超えるのか、二通りあるとは容易にわかります。
この「上」に超える場合の「超」と、「下」に超える場合の「超」とを区別した英語を、意識して知っている人は少ないように思います。
実は、「Hyper-」と「Hyper-」がそれに当たります。つまり、「上」が「Hyper-」で、「下」が「Hyper-」で、ともにやはり基本的には接頭語です。しかも、少し異常さを示すニュアンスが込められています。
たとえば、高血圧は「Hypertention」で、「本質的な」とか言った意味をもつ「Essential」をつけた「Essential Hypertention」は、「本態性高血圧」といった医学用語となります。
一方、「Hypodermic」とは、「dermic」が「皮膚の」といった形容詞なので、「皮下の」という意味になり、「皮下注射」は「Hypodermic」 injection」となるわけです。
特に、「hyperactive」は「過度の機能亢進」や(子供の)「活動過多」の意味で、「hypoactive」は「機能低下」や「機能減衰」の意味です。
このように、「Hyper」と「Hypo」の使い分けができると、便利に物事の理解が進みます。