啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

ネアンデルタール人と現生人

 二つの「種」が、どう交雑しどういう鮮烈な生存競争を繰り広げながら、現生人へ交代していったのか?そのときの自然環境はどう影響したか?
 非常にロマンに満ちながらも、そしてその方法論さえ争論になる困難さをかかえながらも、自分達が現生人である以上、どうしても出さねばいけない解答。
 ここに本来のサイエンスの面白さがあるのかも知れません。「趣味の科学」などとほざく輩を尻目に、堂々とこのような重要なサイエンスをやっていきましょう。
 サイエンスに、元来「趣味」も「実用」もありません。人間性の原点の一つである好奇心を発端として、「未知」を「既知」に変えていく知的な思考と精緻な作業がサイエンスです。その過程や成果が、「ニーズを超えたとてつもない思想や方法論」を生んでいきます。これが、本当のブレークスルーであり、イノベーションなのです。
 道筋の付いたロードマップは作成できても、いつもそれが変更されながら進行していくのが科学研究。ここがプロジェクトとは異なるところかも知れません。しかし、プロジェクトでも、真に求めるゴールは、ブレークスルーであるし、イノベーションなので、根底では科学研究とつながっているように思います。
 本当の技術開発も、きっと根底の考え方では多くが共有されるはずです。