啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「節一乾」

 高級な鰹節には、カビが生えています。それも、何度も重ねてカビが生えているほど、高級な鰹節。
 鰹節は、土佐と並んで一大産地である薩摩から我が国の台所大阪に送られます。江戸時代のことでしょう。しかし、その輸送の過程でカビの発生に悩まされます。長年の経験と研究により、このカビの発生の画期的な対処法を発明します。なんと、「カビにはカビで対抗する」という鰹節に善玉カビを発生させて悪玉カビを発生させない方法でした。
 この悪玉カビ発生防止策として一回善玉カビを生やした鰹節を「節一乾」といいます。特に、今も大阪の鰹節として親しまれています。