『般若心経』(はんにゃしんきょう)の有名な一説は、何と言っても「色即是空 空即是色」という一説でしょう。
「色」は「もの」を表し、「空」は「無」を表すとばかり思っていました。仏教思想に興味はあるものの、特定の宗教にこだわりを持たない教授は、普通に『般若心経』のこの有名な一説を非常に深淵なものと思っていました。
しかし、論理的に考えれば、何故「もの」を「無」と思えるのか?つまり、煩悩を捨てて全てを「無」とする精神性はわかるけれども、その非論理性にこそ宗教的な深淵さが宿っているのであろうと思っていました。