啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

海外への産業移転にともなう研究機関の今後

このような日本企業の海外移転は、我が国の大学等の研究機関にも大きな変革をもたらすものと予想します。
 ここでは、企業の研究所などではなく、大学や共同利用機関等の公的な研究機関について述べています。
 まず、団塊の世代の退職研究者が、韓国・台湾・中国などのアジアの新興国の大学や研究機関等へ、その再就職先を求めていくでしょう。
 サムソンやヒュンダイなど世界的で先進的な韓国企業の発展には、我が国の優秀な退職技術者が韓国で再就職して、現地に先進技術の移転をしたことによると言われています。
 全く同様に、若手の有能な研究者も、特にポストドクレベルの研究者も、アジアを中心とした海外に流失していくことが本格化してくると予想されます。
 次に、我が国の大学や研究所などの研究機関が、生き残りをかけて、アジアの新興国に分校を作っていく可能性があります。
 つまり、産学連携が新興国を舞台として繰り広げられる可能性があると思います。
 我が国において、研究費が国家的なショートを起こしてく行く中、科学技術自身のコンテンツの高さは世界2・3位には位置づけられているのですから、それをテコに海外から研究資金を海外共同研究という形で調達し、我が国の研究開発の遂行を果たしていくしか、将来的な道は残されていないように思われます。