啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

成田空港:搭乗待ちの超長い列

 朝9時35分成田空港発のルフトハンザ機で、フランクルト経由でウィーンに飛びました。成田空港で成田からフランクフルトへの飛行機に搭乗するとき、今まで見たこともないような長が〜い長が〜い行列ができていました。
 待っても待っても最尾が見えないほどの乗客の列。しかも2列の行列です。直感的に、これは総数600人はいるな〜と、ピッと頭に閃きました。とすれば、これほどの数の乗客が一緒に乗れるのは、エアーバス社の最新鋭機A380しかないはずです。総2階席か!

エアーバス最新鋭機A380-800

 果たして、総2階席ではなかったものの、A380-800というエアーバス社の最新鋭機でした。すべてが新しく、見渡す限る人・人・人・・・。実に異様な感じです。ドリンクを運んできてくれたドイツ人の若くて美しいスチューワデスさんに聞いたら、本日は確かに「総乗客数が520人で、そのうち420人がエコノミー乗客」と言って、ちょっとうんざりの表情。失礼な・・。

 なんと、Biocurrtion2010の参加者の約2倍以上の人達が集まったことになります。この機体の中で学会やりたかったなあといった妙な後悔の念が沸いてきました。本当に妙な後悔。

巨機の乗客としてのメリットは?

 しかも、この巨大な機体というか、異様に多数の乗客が、我々乗客にとって思いもつかない「障害」になるなんて、全く気づきませんでした。

 いよいよフランクフルト空港が近づいてきたので、またパスポート・コントロールやセキュリティ・チェックの荷物検査があってイヤだなと思いながら、きちんと2時間用意してくれた乗り継ぎ時間の範囲で、フランクフルトからウィーンへの飛行機の効率的な乗り継ぎ方をブレイン・ストーミングを一人しておりました。

パスポート・コントロール窓口への人の洪水

 「え〜っと、もしパスポート・コントロールでEC圏以外の乗客のパスポートを見る窓口がいつものように4つくらいあるとして、520人のうちEC圏以外の乗客が8割とすると、約420人が窓口に押しかけること」になります。すると、「1つの窓口に約105人が並ぶことになります。単純に1人に1分かかるとして、全部で105分、何とそれだけで1時間45分。これに、荷物検査があるので、もしこの大人数の乗客の最後尾で被子機をおりたとしたら、2時間の乗り継ぎ時間も全く間に合わない」ことになります。

ツアー添乗員は知っていた!

 ちょうど、フランクフルト空港に着陸する直前、いくつもの異なる会社のグループツアーの人達が乗っているのか、搭乗員らしき複数の人達が、それぞれに競争相手の他社のツアー客を牽制し合うように、「これだけの人が降りますので、乗り継ぎが間に合わない可能性があります!降りてのトイレタイムは取りません。いま済ませててください!そして、急いで降りて、そこですぐに集まってください!」と言い回っているのです。
 一人旅の、しかも昨年海外出張を極端に自粛して、10年以上も保持してきたファーストクラス級の特権の1Kカードどころかゴールド資格まで剥奪された今年、私はいったいどうする!?

教授、フランクフルト空港で、走る!走る!

  とにかく、早く降りることだと自分の心に言い聞かせて、降機することに。ところが、真面目なというか添乗員に実に忠実というか、ツアー客の皆さんの降りるときの目つきが違っていて、必ずや自分こそ真っ先に降りるぞーとの機内に漂う異様な殺気に気づいていました。しかももとともが満員の状態。そこで、教授は、降機はあきらめて、降りたところからツアー乗客の皆さんを「ごぼう抜き」で先頭に立つ作戦に変更。
 降りたとたん、この巨体を揺り動かしながら出口に向かって突進。われながら、見事なスタートダッシュでした。そして、しかも見事なごぼう抜き。「これが箱根マラソンだったら今頃テレビのヒーローだろうに」と、くだらない想像をしながらの疾走でした。

その甲斐がみのって、何と1時間もの時間を余しての乗り継ぎ劇となりました。