啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(水) Faculty Recognition Dinner (教員昇進祝賀会)が開かれました

 今年も、教授が本務とするサウジアラビアの大学KAUST で、Faculty Recognition Dinner (教員昇進祝賀会)が、今夜開かれました。

 生物学・環境学部 (BESE: Biological and Environmental Science and Engineering Division)では、全員(合計4人)の昇進 (2名のAssistant Professor(助教授)からAssociate Professor (准教授)へ、2名がAssociate Professor (准教授)からFull Professor (教授)への昇格が決まりました。

  全部知っている人達ですし、教授も推薦状を書いたりしたのですが、とても良かったです。

 

 

中国の科学論文シェア急上昇

「中国の科学論文シェア急上昇 米国と「2強」に 日本は急落、3位が2領域だけ」の見出しで毎日新聞(5月6日(月)5:32配信)をyahoo

ニュースで紹介していました。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190506-00000005-mai-sctch

 

これによりますと、

2015~17年の質の高い科学論文の国別シェアで、中国が理工系の151研究領域のうち71領域で首位を占めていることが、国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)の分析で分かった。残りの80領域は米国が首位で、最先端の科学研究で米中両国の2強体制が鮮明になった。一方、日本は上位5位以内の研究領域の数が約20年前に比べ激減しており、相対的に研究力が低下している現状が浮き彫りになった。」

とのことです。

  日本の人口減と研究費の減少が続いて行くことから、科学論文の米中2局体制はこれからしばらく続くものと思います。

(土) テキサス大学の卒業式(2014年)のスピーチの秀逸度

  アメリカの軍人さんによるテキサス大学の卒業式の祝辞は、2014年という約5年ほど前のものですが、その秀逸さに眼を見張るものがあります。

「2014テキサス大学卒業式祝辞 マクレイヴン海軍大将 (Navy SEALs)」

https://youtu.be/LKwjTnVpzck

教授の大学でも例年12月に大きな卒業式(Commencement: 学位授与式)があり、有名人や企業一流経営者が呼ばれますが、なかなか心に残るスピーチはそんなにありません。

 

アップルのCEOであったスティーブ・ジョブス氏(Steve Jobs)が生前にスタンフォード大学の卒業式で行った祝辞は国際的にも有名ですが、このテキサス大学の海軍大将のスピーチも今後世に残っていくものと思います。

スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版」

https://youtu.be/XQB3H6I8t_4

 

  そういえば、最近の東京大学での上野千鶴子氏の入学式の祝辞スピーチが話題になってましたね。

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html

 

  

(土) 量子AI (Quantum AI) の今後

  量子コンピュータQuantum Computer)の激しい開発競争の中で、一番の応用は機械学習(Machine Learning)やデープラーニング(Deep Learning)のような人工知能(AI: Artificial Learning)であると思われます。

 これから「量子AI (Quantum AI)」という言葉を多く聞く時代になっていくと思われます。

  

 

(金) 「量子のもつれ」と「量子の重ね合わせ」

量子コンピューティングにおいて、「0 」と「1」のいわゆる古典ビット以外にそのどちらでもある状態の「重ね合わせ」(SuperPosition)の量子ビットがあることは、以前に述べました。

  その他に、量子ビットが非独立的に繋がっていることが、量子力学でいう「量子のもつれ」と言われる現象に基づいていますが、とても大事です。

(水) 「シュレディンガーの猫」

古典的コンピューティングにおいては、電圧のオンとオフで表現するように、「0 」と「1」のいわゆる古典ビットを考えます。

 しかし、量子コンピューティングにおいて、「0」と「1」以外にそのどちらでもある状態の「重ね合わせ」も考えます。ちょうどコインを回して、「表」が「裏」が出るか分からない状況によく例えられます。この状況まで考慮するとき、これを量子ビットと言います。

  量子力学では、状態の存在を全て確率的に考えるので、コインでは「表」と「裏」の両方である確率も考慮するのです。「表でも裏でもない」というようには言わず、「表でも裏でもある」という言い回しをします。確率ですので、確かに全て事象の確率を足し合わせたら1にならねばなりません。

  あたかも、猫が「生きている」状態と「死んでいる」

状態に加えて、猫が「生きているのと同時に死んでいる」(日本語的には「猫が生きてもなく死んでもない」と表現したいのですが、論理的には「両方の状態が存在している」という言い方がより正確です)状態も考えるのと同じ状況に似ています。

 「猫が生きている状態で、かつ死んでいる状態」!、って何?と言いたくなるのですが、量子力学では全ての存在は確率的ですので、そのような状態はあり得るのです。

  これが、世に言う「シュレディンガーの猫」なのです。

 

(金) 日本の静岡県では桜散る

 日本から知人が送ってくれる情報によりますと、静岡県三島市沼津市では桜は散った模様です。先週の土曜日(2019年4月6日)は、国立遺伝学研究所の一般公開日で沢山の入場者で混雑したようです。

 教授が代表理事を勤めています公益財団法人・遺伝学普及会も桜の本の頒布や遺伝研グッズの販売を行いまして、とても人気があるあったということでした。普及会関係の皆さまには大変お世話になりました。

(木)わがKAUST研究室チームとJAMSTECチームが紅海の航海へ出航!

 KAUSTの調査船に乗って紅海のブラインプールを調査する一団が結成され、我が研究室のチームとJAMSTECからお迎えした研究チームが約2週間のブラインプールの調査に出発しました。

 KAUSTの別の研究室は、定期的に紅海のブラインプールの紅海調査を実行しており、我が研究室としては2回目となります。JAMSTECとの共同調査は今回が初めてとなります。

 教授は乗船しませんので、皆さんの航海の無事を祈るばかりです。

(木)日本各地から桜の写真が届きました!

 日本各地の知人から桜の写真が届いています。現地のサウジアラビアにいると、季節感がなくなってしまいます。こちらは例年に比べると気温が少し低めで過ごしやすい毎日が続いていますが、やはり四季のある日本のようにはいきません。

 そういうとき、いただく日本の桜の写真は、美しい日本の良さをあらためて再認識させてくれます。

(水)Marine Biotechnology Conference at Shizuokaに奮って応募をお願いします。

 

国際バイオテクノロジー学会が静岡市で、2019年9月9日ー13日に開催されます。

Joint Conference of
the 12th International Marine Biotechnology Conference and
the 12th Asia Pacific Marine Biotechnology Conference

ということで、2つの国際学会の合同学会ということです。

Sep.9, 2019 (Mon) - Sep.13, 2019 (Fri)

Venue: Shizuoka city, Shizuoka, Japan

Conference Chair: Haruko Takeyama (Waseda University, Japan)

口頭講演の締切が2019年4月19日で、ポスター発表は同年5月6日です。

 

こういう機会はなかなかないので、関係の方々は奮って応募ください。

詳細は、以下のURLで。

 

http://marinebiotechnology.jp/mbc2019/

(火)SSMG (Saudi Society of Medical Genetics:サウジ医学遺伝学会)のKAUST開催の準備が進む

 教授がホストとなって、KAUSTの研究センターCBRCで開催する初めてのサウジ医学遺伝学会(SSMG:Saudi Society of Medical Genetics)が、来週の2019年4月15日と16日の2日間にわたって開催されます。すでに約320人が出席登録しており、これに講演者やSSMG関係者の約40人、そしてKAUSTからの出席者を入れると、かなりの大人数となることが予想されます。

 KAUSTはセキュリティが厳しいため、事前の様々な登録などが必要で、教授やセンターの関係者達はその準備に頑張ってくれています。

 去る2019年の1月にやはり教授の研究センター主催で行った「AI in Medicine」(医学における人工知能)の研究集会でも320人の参加者があって大成功でした。これに引続いて成功を収めたいものです。

 

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SSMG 2019 at KAUST (サウジ医学遺伝学会・2019年大会)