啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

トランプ政権下での医療保険制度

だったら、共和党オバマケアを撤廃して、どうしようというのでしょうか?
東洋経済オンライン(2016年12月13日)に医療政策学者として津川友介氏の「プライス次期長官は反オバマケアの急先鋒だ ー 米国の医療保険制度は、どう変貌するのか」という記事が、非常に分かりやすいです。一言で言えば、「小さな政府」の原則で、今まで通り自由に保険に入って、無保険の16%の人達が自発的に保険に入ろうとしやすいようにしようという政策です 。
「2016年11月29日、トランプ氏は保健福祉省長官(日本で言うところの厚生労働大臣)にトム・プライス下院議員を任命することを明らかに」にします。「プライス氏の医療政策案は「Empowering Patients First Act」という名前で知られており、ポイントは以下の5点である。」と、津川氏は解説します。

(1)個人が税控除を使って自分で民間保険を購入する
(2)相続可能な「医療貯蓄口座」
「プライス氏は医療貯蓄口座(Health savings account、HSA)推進派である。HSAとは、病気になって医療費がかかるようになった時に引き出して使うことのできる定期預金口座のようなもの。HSAに積み立てる金額はその年の課税所得から控除でき、HSAから引き出したおカネは医療費に使うかぎり利子は非課税。しかも、相続することが可能だ。」
これは、シンガポールの「Medical savings account(Medisave)」とほとんど同じもの。
(3)18カ月保険に加入していれば、既往疾患により新しい保険への加入を拒否されない
(4)企業の給与から保険料の支払いのために控除できる金額に上限を設ける
(5)ハイリスク・プールの設置
「ハイリスク・プールとは州政府によって運営される健康保険。既往疾患を持っているために、保険料が高すぎて民間保険に加入できない人達(ハイリスクな人達)はこの保険に加入できる。」< 引用: http://toyokeizai.net/articles/-/149275?page=2 >