啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

日経新聞社説「ゲノム編集は歯止めが必要だ」

日経新聞の2016/3/22 3:30付けの朝刊の社説において、「ゲノム編集は歯止めが必要だ」との見出しの下、生殖細胞や受精卵のゲノム編集は制限すべきだが、体細胞のゲノム編集はどんどん行うべきだと、論評しました。基本的に、教授も同じ考え方です。この論評は、基本的に「次世代に未知の危険を残したくない」という思想が根本にあるのでしょう。

一方、Dr. Jim WatsonがKAUSTで講演を行い、その際に聴衆から「受精卵の遺伝子改変をいいと思うか?」との質問が発せられたとき、即座に「YES!」と答えていたのを思い出しました。「未知の危険」より「今の危険」の回避の重要性を、20世紀の大ノーベル賞学者は確信しているように思いました。一般には、そこまでの確信が持てないところに、大学者との差があるのかもしれません。