啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「生きる」と精神世界

時間節約のため、昼食をとりながらの打ち合わせ、いわゆるワーキング・ランチ(Working lunch)でのエピソード。
よく海外に休みで出かけたと聞いて、「奥様とご一緒ですか?それは、とても素敵な旅だったでしょう?!」という教授の何の変哲もない問いに、「家内は2年前に亡くなりました。」という悲しい応答でした。
聞けば、5年ほど前から奥様の内臓にガンが見つかり、抗がん剤などによる投薬や入院治療より、QOL (Quality of Life: 生活の質)を優先して、生存できる期間いっぱい、海外旅行などを頻繁に行って二人の幸せな思い出作りを行ったんだということでありました。
早く旅立たれた奥様であったけれども、凝縮した幸せいっぱいの日々を胸に、最期を見送られたとのことでした。また、それが故に、残された方もこれからも生き抜いていける満足感に溢れているとのこと。
そういう思い出を精神世界の糧として、寂しさに耐えながらも、自身が「生きて」行く。そんなとても素敵な生き方を教えてもらいました。
最近も、教授の別の親友の一人の奥様が、また異なる幸せなかたちで旅立っていかれたこともあって、とても身につまされるお話でした。世代的にも、まだ早すぎるベターハーフ(Better Half)との別れだけに、1日1日の時間の人生における大切さを痛感して教えてもらった気がします。