啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

シェールガス・石油の問題点

アメリカでブームとなっているシェールガスやシェール石油の問題点が、だんだん明らかになってきました。
 よく知られている問題点は、一旦地下にドリルしてその後水平掘削を続けたとしても、原油などとは違って、1つのドリルで回収できる範囲が狭いため、何本もドリルを掘らねばならない点です。つまり、一度堀ったドリルで広範囲に回収できる原油とは異なり、シェールガスやシェール石油の回収には、費用がかさむという点です。
 しかし、明らかになった最大の問題点は、95%のメタンが掘削時に空気中の放出されることのようです。これは、二酸化炭素よりも地球温暖化への影響が強く、むしろ環境保護の観点からは石炭を使ったほうが中期的にはいいと言われています。
 もしこのメタン放出に制限や設備投資の必要性が出てくると、シェールガスやシェール石油の掘削の事業から多くの投資家が手を引くことが予想されています。
 また、中国では、シェールガス層は、アメリカの層(地下2000m−3000m)よりさらに1000〜2000mも深いと言われており、その分コストもかさむようです。