啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

遺伝学の「ロマンチック時代」から「システマチック時代」へ

 本日のある会議で、関口睦夫・九大名誉教授(福岡歯科大学客員教授)が、とてもいい話をしていました。
 関口先生は、分子遺伝学を中とした現代遺伝学を、その創世期から現在までを3つに分けました。
 ワトソン・クリックのDNA2重らせん構造の発見からポール・バーグのDNA組換え技術の登場期までを「ロマンティック時代」、そのDNA組換え技術の登場期から全ヒトゲノム解読までの時期を「アカデミック時代」、そしてそれ以降の現在を「システマティック時代」という3つの時代に分けて、その時代にそれぞれの名前を与えました。
 その明晰な時代認識と、その時代の特性を簡潔に具現化した絶妙なネーミングに感服しました。
 そして、現代の「システマティック時代」をどう乗り越えて、今後どういう名前の時代を切り開いていくのか、のど元まで突き付けられた待ったなしの審問に身をもって答えねばならないのが、我々の世代責任なのです。