啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

G20とアベノミクス

 ロシアで開催されたG20で、「日本の阿部内閣のいわゆるアベノミクスが、通貨安競争を引き起こしているのではないが、各国とも通貨安競争はやめましょうね」といった合意がなされたという報道が相次ぎました。
 しかし、日本が名指しで批判されなかったことが非常に注目され、いいか悪いかは別として、為替は円安の方向にさらに向かうようです。
ある専門家によると、アベノミクスの最大の評価点は、逆説的ながら、日銀との独立性まで破ってデフレ対策に踏み込んだというところだと言っていました。
 つまり、いままでどの国も中央銀行の独立性は不可侵としてきたのに、阿部内閣の日本ではその一線をこえたことに大きな意味があるというのです。
 現在の国会審議では、その点での応酬が質疑応答で続いているようですが、たしかに「日銀法の改正まで視野に入れて、物価目標(ターゲッテッド・インフレーション)の2%を達成しよう」という決意は明白です。
 本当の評価は、その結果と歴史を待つしかないと思われますが、現時点ではいままで状況とは少し異なり、閉塞感が薄れてきていることは事実であるように想われます。