啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

先進技術導入のつけと見識

 2011年9月12日のこの日記でも書きましたように、札幌の地下鉄のいくつかの駅では、自動改札機に切符を裏側のままにして通ろうとすると、その切符を認識できずに拒否されてしました。(もう全駅で改善されて、いまではそうでない場合は、失礼をお許しください。)
 しかし、少なくとも昨年の9月までは、そうだったと思います。これは、かなり早い段階で、当時としては画期的な自動改札機を導入したとき、まだ切符の裏側の処理が出来なかったことによるとのことでした。 以前にも書きましたが、おそらく新機種に代えることはすぐできるはずなのに、切符の表を皆がちょっと気をつけるだけで、全部で何億円もかかるような設備更新をするべきかどうかの見識ある判断があったものと思います。
 福岡の地下鉄は札幌に比べると導入が新しく、自動改札機も切符の裏表も関係ありません。それだけに、自然にいることの深層に含も問題点さえも浮上すらしません。 
 日本の現代社会において自然に便利さに慣れてしまっている状況は、ニーズすら顕に出ない「表面的な自己満足への埋没」なのか、あるいは「成熟した大人社会への華麗な一歩」なのか?南北の大都市の地下鉄は奥深い社会ビジョンの両極端にまで思いを馳せさせます。