啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「人間はーナゼ特別なのか?」

 東大名誉教授の和田昭允先生のコラム(6月7日(木)日本経済新聞夕刊コラム「あすへの話題」)は、いつも簡潔で明瞭な主張がなされます。この日のコラムも、冴えた切れ味の小文でした。
 和田先生は言います、「人間だけがふたつの世代間の情報伝達機構を持っている」と。もちろん、それは「遺伝」と「記録と教育」です。
 和田先生は、生殖細胞の遺伝操作でこのふたつの機構で出来ていく世代の糸が交差しだし、自分達の環境を生物としてのヒトが追いつかないほどのスピードで変えて行ってしまっていると、警告します。つまり、「生命進化は、その無定見な干渉の圧倒的な量と速さにとてもついて行けず、破滅の道に向かう。」というのです。
 しかし、人類破滅への道を歩んでいるかのようですが、救いがない訳ではないと、説きます。
 まさに、「教育の全力投球が、唯一の救いの道だ」と言います。「初等教育から全教科で、総合的に「近代科学文明の知恵と責任で地球を救おう」と情理を尽くして教えよう。これが暗雲を払う唯一で無二の道だ。」と訴えます。
 たしかに、「教育のあり方」で、我々の未来は大きく異なることは、明らかです。