啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「GLUD2」と「Cbln1」関連の用語解説

 <用語解説>
上記の「「GLUD2」と「Cbln1」の機能」で引用したJSTの研究発表プレスリリースの用語解説です。
「注1) シナプス
  神経細胞神経細胞のつなぎ目。シナプスの前側にある神経細胞からグルタミン酸などの神経伝達物質が放出され、後ろ側の神経細胞がこれを受け取ることによって情報が伝達される。
注2) Cbln1(シービーエルエヌ1)
  神経細胞が分泌するたんぱく質。免疫系において働く「補体」と似た分子であり、同じファミリーに属する分子は、炎症反応、糖代謝、冬眠など多彩な機能を持っていることから、Cbln1がどのように脳内において機能するのかは不明であった。
注3) グルタミン酸受容体、デルタ2グルタミン酸受容体(GluD2:グルディー2)
  シナプス前部から放出されるグルタミン酸を受け取るために神経細胞が備える細胞膜表面に存在するたんぱく質グルタミン酸受容体には、AMPA受容体などいくつかの種類がある。GluD2は、小脳プルキンエ細胞に存在するグルタミン酸受容体と構造が似た分子として発見されていたが、グルタミン酸そのものには結合できないことから、孤児受容体と呼ばれ、どのようにして機能するのかが長い間謎であった。
  注4) シナプスオーガナイザー
シナプスを形成し成熟させる分子の総称。細胞から分泌されて作用する分子と細胞表面において神経細胞同士を接着させる分子に大別される。
注5) 顆粒細胞
  小脳の外からの情報を受け取る一群の顆粒状の小型神経細胞プルキンエ細胞シナプスを形成し、グルタミン酸によって情報をプルキンエ細胞に伝達する。
注6) プルキンエ細胞
  顆粒細胞とシナプスを形成する大型の神経細胞。ほかの情報を統合することによって、小脳における運動記憶やなめらかな運動を制御する。」
(引用:http://www.jst.go.jp/pr/announce/20100416/index.html#yougo3