啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「反転眼」

 プラナリアの眼点は、「反転眼」といわれるものです。非常に変わった眼の構造をしているのです。
 プラナリアは、河川や池、古い井戸や水溜まりによく見られる扁形動物です。体長が1〜2cmの扁平な体形をしています。典型的な日本産のプラナリアであるDugesta japonicaには、可愛い眼を左右に一対持っています。
 このプラナリアの一対の可愛い目の「反転眼」という眼点では、光受容部が光の入ってくる方向とは全く逆側にあるのです。あたかも視細胞が邪魔になるような位置にあって、入ってくる光を遮り、光が十分に光受容部にまで届かなくなっているのです。
 プラナリアは原始的な動物なので、十分に進化しきっていないからだろうと、一瞬単純にはそう思うでしょう。
 しかし、脊椎動物の眼はすべてこの「反転眼」であると聞けば、いささかびっくりするでしょう。その理由は、知りたいですよね。