啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

三島とハデルベルグ

 というか、高部佐吉の妹との恋物語でもなく、むしろ「三島」が主題の短編小説とは全くびっくりです。
 「・・・三島で書いた「ロマネスク」という小説が、二三の人にほめられて、私は自信の無いままに今まで何やら下手(へた)な小説を書き続けなければならない運命に立ち至りました。三島は、私にとって忘れてならない土地でした。私のそれから八年間の創作は全部、三島の思想から教えられたものであると言っても過言でない程、三島は私に重大でありました。・・・」と、この「老ハイデルベルヒ」で、太宰治は述懐しています。
(引用はすべて、http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/238_20005.htmlの「老ハイデルベルヒ 太宰治」より。)