啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

我が国の将来ビジョンの提示と議論

 早く日本が将来どういう国であるべきかのビジョンを、みんなで共有できるように、議論を始めるべきと思われます。
 「高福祉社会の実現を目指すが高税率は許す」のか「生活水準を甘んじて下げて低税率社会を維持する」のか、あるいは「社会の富の不平等性を廃し、その分社会発展のインセンティブの低下は覚悟する」のか「富の格差はある程度許して活発な発展のインセンティブを拡大させる」のか、などを議論して早く合意する必要があります。
 また、それらの対立概念の両立を目指して、対立概念の何らかの組み合わせで行くのであれば、どういう組み合わせでいくのかといった議論が必要と想われます。
 この将来ビジョンが欠如しているため、東日本震災の復興の大方針が決まりにくいものと想定されます。復興のために、今後の防災の技術論や都市計画的なデザイン論そして経済復興の方法論が先行していますが、将来ビジョンが決まっていないので、技術論や方法論だけでは復興の大綱は決まりにくいでしょう。決まっても問題がすぐに噴出してくるものと危惧します。
 それでも、復興のプランは、今年の12月までに決めるのではどうみても遅いので、数か月のうちには決めて、被災者の方々や被災地に早急に対応しなければならないと思われます。