啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

Dr. Charles Hard Townes

ローマでのローマ法王庁アカデミー(Pontifical Academy of Sciences: PAS)の2年に1回の定期総会(Plenary Session)に出席しました。このことは、また振り返って記載します。

 そこでお会いした90歳をはるかに超えると思われるアメリカ人の老紳士。とても気品があって矍鑠(かくしゃく)とされていている科学者と出会いました。何か、食事ときも「孤独感」というより「孤高」の人という感じの老紳士でありました。
 
 教授の講演の前に、わざわざ教授のところに来られて「すみませんが、5'end って何ですか?あなたの講演を楽しみにしています。」ときれいなアメリカ英語で話しかけて来られました。
 そのせいもあって、ディナーやランチのときは、できるだけその老紳士と隣り合って食事をするようになりました。

 その老紳士の科学者の名前は、Charles Hard Townes博士(95才)でした。博士はmaser(メーサー)やlaser(レーザー)の発見者で、ノーベル物理学賞受賞者でした。20世紀の大発明のひとつといわれるレーザーの存在を理論的に予測する大仕事をされた科学者でした。

  分野が異なるので、詳しいことはわかりませんが、とにかく20世紀を代表する科学者のお一人のような方なのでしょう。しかし、親しくなったので、初歩的な質問をさせてもらいましたが、気さくに答えていただきました。(どういう質問をしたかは、今となっては、恥ずかしくてここに書けません!)もっと事前の知識や教養があったら、博士にいろいろ聞けたのにと残念でした。

  2年前にも同じアカデミーの会で親しくなったMarshall Warren Nirenberg先生も、私の講演を褒めていただいたり、一緒に食事をしたりローマ遺跡のエクスカーションにご一緒したりと、90才を超えるとは思えぬお元気さでありましたが、今年の1月15日にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りする次第です。(この先生のお話も、ブログでいずれ致しましょう。)

  どうか、もう2年後もCharles H. Townes博士にお元気でお会いすることを楽しみにしています。