啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

オーブンのオープン

サウジアラビアに来て、来月の2016年9月30日で早や丸3年になってしまいます。
その間、自宅の台所に鎮座する大きなオーブンを自身では使ったことがありませんでした。何を思ったか、「本日、このオーブンで冷凍のピザとフライドチキンを焼くぞ!」と決めたのでした。

台所の棚の奥にあった英語のマニュアルを引っ張り出して読み始めましたが、どうも「Bake」か「Convection Bake」と書いてあるボタンを押して、温度を℉(華氏)で入れるだけのようです。「なんと、そんな簡単だったの!」と独り言。(Bakeはもちろん「焼く」ということで、Convectionとは「対流」という意味だから、「熱を対流させて焼く」のボタンで行くことに。)
自分の英語の読解力を信じて、ボタンを一つ押して、冷凍ピザの包みの下の方に細かな字で書いてある温度を見つけ、それを℉で入れて、スタートボタンを押しました。これは、確かに、小学1年生でもできる操作!
なんと勝手に「プレヒート」とか表示しちゃたりして、どうもキチンと機能しているぽい!心配しながら待つこと5分、「チーーン!」という電子レンジよりは長めの澄み切った音。オーブンの扉を開けると、期待通りの熱い空気が覗いた顔にかぶさるように出て来ました。そこで、すかさず冷凍ピザの中身を包みから破って取り出し、鉄板トレイに乗せてオーブンに放り込みました。待つこと約15分!
恐る恐る取り出してみると、見事なピザの出来上がり。
そこで、恐れることもなく、すかさず冷凍のフライドチキンもオーブンに入れました。「どこまで食べるつもり?」との呆れたお声が聞こえてくるのではと些か恐れながらも、ここは徹底してオーブンを使いこなすぞとの意思の硬さの方が優先でした。
案の定、フライドチキンも見事な出来栄え。これで、人類が初めて「火」を発見したときのホモ・サピエンス状態で、以後積極的に冷凍食品が買える「道」を開拓したという興奮に陥りました。
それにしても、ボタン押すだけなら、もっと早くにマニュアルを読めば良かったなあと、後悔した次第でした。そういえば、「オーブンは簡単だからこう使うように!」と教えたくれた方のお言葉を、上の空で聞いていた祟りが解けた瞬間でもありました。