啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

中東の観光ビサとインドの観光ビサ

サウジアラビアには、「観光が認められていない」という事実を知らない日本の人は多いようです。サウジアラビアへの入国は、一般に非常に難しいと言われています。
 最近、サウジアラビア政府が認めた観光業者のみが、「視察」という目的でグループで入国することは認められる例が増えてきているようです。しかし、原則として観光による入国が認められていませんので、サウジアラビアは一般には入国が非常に難しい国となっています。
 先日も、たまたま知り合ったエミレーツ航空の複数の日本人スチュワーデスの方々と機内で話す機会がありましたが、アラブ首長国連邦のドバイからサウジラビアのジェッダ行きの便に搭乗しても客室乗務員の方々はジェッダでは降りることが認められておらず、機内に居たまま次の出発を待っているとのことでした。それで、「ジェッダというのはどんな街ですか?」という質問攻めにあったことがありました。
 一方、KAUST(アブドラ国王科学技術大学)からの招待でサウジアラビアに入国しようとする場合、形式上、「アブドラ国王からのご招待」という位置付けになるらしく、東京のビサセンターでのビサの申請の際でも、窓口で並ぶことなく特別室で対応されるという数多くの報告がきております。
 さらに、ジェッダ空港に到着すると、KAUST専門のサウジアラビア政府の係官がパスポート・コントロールの前に出迎えて、一般には長い待ち行列にならぶことなく、特別窓口で入国審査を受けることに原則なっています。ただ、これも状況に依存して臨機応変な対応になっているようですが、いずれにしても、国王ご招待という形式になるのが面白いところです。
 一方、アラブ首長国連邦のドバイやカタールのドーハでは、観光は国の一大事業であり、観光客誘致が大いに奨励されています。これらの国の入国では、入国審査の際にビサをその場で係官から購入(事前に両替所でビサ代を支払って入国審査所でビサをもらうところもあります)するという非常に入国しやすいシステムが取られています。
 実は、インドも2010年以来日本人の場合には似たような方式がとられているようですが、特にムンバイ空港などでトラブルが続出し、その場で入国拒否にあっている例が増えているという情報がきています。
 多くの場合、他国の人を入国させるかさせないかは、この審査官の判断に任されています。法律などの問題ではなく、他人の家にお邪魔するときに、その他人を家に上げるか上げないかがその家の人に任されているのと同じ原則です。したがって、インドの場合、歴史上つきあいの長いイギリスの国籍の人達には、インド入国に際してビサは不要になっています。