啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

生物の科学「遺伝」

公益財団法人・遺伝学普及会が、出版社エヌ・ティー・エスから隔月で出版している雑誌に、この「生物の科学・遺伝」があります。
非常に高質で読み応えのある雑誌です。特に、毎回特集を組んでおり、この特集の話題の選定のタイミングと内容が実に絶妙で素晴らしいのです。写真も豊富で綺麗で、眺めているだけでも楽しくなります。
例えば、最近ですと、「ゲノム編集」という最新の話題を特集したり、シーラカンスのゲノムが発表された時にはシーラカンス特集であったり、学問の発展との同時性をきちんと確保できています。
なんと、この雑誌の主たる読者に、中高校の先生が想定されているのです。
しかし、中学生や高校生が読んでも面白く、大学の先生や研究者が読んでも面白いのです。

どうして、こういうことが可能なのか?
これには、それなりの秘密がありました。編集委員会です。この委員に一流の先生方が就任し、常時サイエンスのトピックスを収集し、毎回約2時間半に渡る編集会議で熱心な議論がなされ、話題や執筆依頼者が選ばれていきます。
また、出来上がった原稿は、それぞれの分野に近い先生方が査読的に確認が行われ、分野的に対応しきれない時は、それぞれの編集委員の先生方が持つコネで、その分野のトップレベルの研究室に依頼して確認の査読をお願いしているのです。
この編集委員会が、この高質な科学誌「生物の科学・遺伝」を支えていたのです。