啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「frenemy」(フレネミー:友人のふりをした敵)

 最近、frenemy(「えせダチ;友人兼ライバル」)という言葉が、米国のオバマ大統領のパキスタン・イラン・シリア等に対する政策とともに、エジプトやサウジアラビアからの反応、さらにはイスラエルからの 反応とともに、よく聞くようになりました。
 たしかに、言い得て妙の言葉のように思われます。
<参考:「石山宏一の新語ウオッチ」より>
http://l-world.shogakukan.co.jp/colum/watching58.html
「frenemy(可算名詞)とは frienemy とも書き、fr(iend)(友人)と enemy (敵、ライバル) の合成語 (portmanteau) で、2つの意味をもち、第一は「友人のふりをする敵」、第二は「友人で同時に敵[ライバル]」の意味(注1)。この言葉は57年前に造語されたと言われるが、著名な辞書には採用されず(注2)、60年近くも隠れた用語であったが、最近になって米国のイラクやアフガンでの戦争で英米メディアに頻出するようになり、急速に全世界に広まったので、現代語として取り上げた。」

「この現代語が脚光を浴びたのは、最近の米国の対パキスタン政策が frenemy の様相を見せたからである。オバマ米大統領は、4月中旬にパキスタンのジラニ首相 (President Yusuf Raza Gilani) と会談した際、パキスタンに対して「非常に好きな国で、大学時代に訪問した」と述べた。しかし、こうしたパキスタンへの友好的な態度にもかかわらず、米大統領は昨年12月に極秘の外交命令を発し、2008年11月に発生したムンバイでの116人が殺害されたテロ事件後のインド・パキスタン関係で、インド側を支援するよう関係機関に要請したのである)。これは米国が完全にパキスタンを frenemy と見なしたことになる。外交とはそんなものであろう。」

「 frenemy の邦訳語であるが、色々調べた結果、最適訳語として挙げたのは上記の「えせダチ;友人兼ライバル」である。「えせダチ」とは「上辺だけの信用できない友人」を意味し、「友人兼ライバル」は文字どおりの「時には手を組むライバル」の意。この「ライバル」の代わりに「敵」としてもよい。」