啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

時代の歯車

 団塊世代の方々の定年退職ラッシュを迎えて、世代交代が進みつつあるように思います。この状況は、大学や研究機関でも同じです。
 特に、アカデミックなポジションの中でも、終身雇用制を前提としたいわゆる「テニュア・トラック」のポジションに空きがなかなか無いような状況の中で、如何に運営交付金などの減少が続くといえども、明らかに教授ポストの空きがでてきています。
 さらに、これは准教授ポストの空きが、およそ順送りに出てくることを意味します。したがって、これらの空きポストは、15〜20年に1度の千載一遇のチャンスといえるでしょう。
 ただし、国家財政の困窮度からすると、公務員や準公務員の給与は減り続け、10年後くらいには半減近くまでになる可能性さえあります。
 国全体が、実質税収の倍の生活水準を維持しようとすることに無理があり、その水準を下げなければ国家の財政破たんは時間の問題といえるので、消費税のさらなる増加(現在の倍増や3倍増)とともに、公務員や準公務員の人件費を大幅に引き下げるしか道はないように思われます。
 したがって、このような待遇の劣化をも覚悟の上で、アカデミック・ポジションを求めて行くのであれば、現在やこれからの3〜4年が絶好のチャンスといえます。
 一方、どのような状況においても、確実に「時代の歯車」は回っていきますが、人はしたたかに生き抜いていけることも事実です。
 予測通りにならないのが人生。したがって、悲観的な予測にしろ、楽観的な予測にしろ、「覚悟」を早く決めた人の「勝ち」になるのかもしれません。つまり、早く「覚悟」を決めた分、悪い状況は悪いなりに、「良い」状況はそれはそれで、適切な対応が早めに可能になります。
 人生方針がふらつき続けると、それこそ「千載一遇」のチャンスをみすみす見逃すことなる確率がきわめて高くなります。
 先の見えない現在だからこそ、早くリスクを取って覚悟を決められるかどうかが、まずは成否を握っていると言えるでしょう。