啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

しげの家ライブ・尺八の夕べ

 本日、午後7時から「しげの家」にて、尺八の演奏会が開かれました。
 第一部は正統な尺八曲3曲(「手向(たむけ)」・「一二三鉢返(ひふみはちがえし)」・「巣鶴鈴慕(鶴の巣籠もり)」)でした。
 第二部はピアノ金指英雄氏との合奏で、ベッサメムーチョ・ロシアより愛を込めて・慕情・春の海・荒城の月・お休みなさい、の6曲でした。
第一部の尺八曲は、よく調べてみると、尺八曲としては非常に有名な曲ばかりで、よく考えられた選曲であったことが分かりました。さらに、もっと深読みすることができるようにも思います。
 と言いますのも、「手向け」とは「仏様を拝む」ような意味合いがあり、レクイエム(鎮魂歌)としても演奏されるそうです。
 「一二三」は、もちろん1・2.3ですので、「始め」の意味があり、「曲を吹く前にまず心を落ち着けて、気息と楽器と体とを一つにまとめる手段として奏するものである」という解説もあります。「鉢返し」は、托鉢の布施に対する「返礼」・「感謝」の意味を含みます。
 「巣鶴鈴慕」は、母子の鶴が巣に居る子鶴の頭上の上空から鈴の音のように子鶴を慕って鳴く情景を描く曲で、「母と子の愛」を示すものです。
 つまり、「鎮魂歌・感謝・家族愛」を示す選曲とその深遠な演奏に、演奏家・宮崎青畝(みやざき せいほ)氏の全身全霊のメッセージとして感じ取りました。