啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

センサーとモニタリング

 「ビッグデータ」問題は、センサー技術の発展とそのモニタリングとしての活用という新たな社会技術革新と切り離せないようです。  つまり、センサーによって時間的な経過とともに計測される数値情報・文字情報・画像情報・動画情報が山のように産出される社会の到来です。しかも、センサーがセンサーらしくない形状で発展してくるといわれています。
 たとえば、車です。日本中のすべての車が現在通過中の道路の混み具合をリアルタイムで感知し、その情報を集積して直ちに分析して全車に伝達して渋滞情報を知らせるだけでなく、15分後のその地の渋滞状況の予測まで行うことができます。車に気象観測装置やCO2観測装置を搭載できるとすると、全ての車が環境センサー化し、そこから産出される時間経過データは膨大なものになるでしょう。IBM提唱の「スマーター・プラネット」という社会ビジョンは、まさにそのような社会全体のインテリジェント化を目指すものでしょう。その実現のためには、どうしてもビッグデータ問題を克服しなければならないのです。
 まったく、同じ問題がゲノム科学に起こっています。「ゲノム+モニタリング」がビッグデータを産んできます。がん細胞のゲノム変化によるモニタリング、メタゲノムによる環境モニタリング(海洋環境・土壌などの農業応用・空気のインドアメタゲノミクス)など、様々なモニタリング応用が考えられ、そのデータ量は莫大なものになると予想されます。