啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

大野乾博士の呪縛

 大野乾先生は、ご存じのように、遺伝子重複やゲノム重複に大いに注目していました。以前にも書いたことがあるかと想いますが、大野先生の本来の興味は性染色体でした。
 1回だろうが2回だろうがゲノム重複がいったん起こったら、性染色体も丸ごと重複されてしまいます。このとき、條染色体とは異なり、せっかく分化した性染色体の意味がなくなるではないか。なのに、「性」はどのように保持されてきたのだろうか?といった疑問が大野先生をゲノム重複にその興味を大いに向けさせた根源的な問いであったと思います。
 これを、ゲノム情報からどう解き明かしていったらいいでしょう。とてもいい問題と思います。