啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

JSTの旧科技庁化

 JSTが、次々と戦略目標として、非常に良い課題を選定し、プロジェクト化に向かおうとしています。
 しっかりした聞き取り調査と内部議論があるのでしょう。掲げられた戦略目標に科学的な合理性とタイミングの良さが見えます。異なる省庁間の連携の想定も、戦略目標の内容から、読み取れます。
 本省の、特に文科省におかれては、内局予算が削られる中、JSTのような動きは非常に歓迎されるべきものでしょう。
 一方、本省予算でのトップダウン・プロジェクトの場合、ライフサイエンス委員会や学術審議会を通過しての計画実施になりますが、JSTの戦略目標からのCRESTやさきがけへのプロジェクト化となると、JST内部での課題立案ならびに公募による課題選定となります。
 JSTと本省との密接な連携があることはもちろんですが、この審議の流れの違いやシフトは、今後検討が必要になるかもしれません。
 特に、大型研究計画が日本学術会議で選定されて学術審議会等で議論されるルートも別途有り、このあたりの一元化が必要なのか、多様的でいいのか、再検討の余地が必要でしょう。
 内局の部局による予算の袋の違いの反映といった側面もあるのでしょうから、すっきりするには、もう少し時間がかかるのかもしれません。
 いずれにしても、旧科技庁的な役割をJSTが持ち出しているともいえます。