啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

8/13(金) お盆とお休み

 一昔なら、お盆といえばお正月と並んでの国民的休日。しかし、確かに休んでいる人もいますが、カレンダー通りに働いている人達も多いようです。教授の研究室でも、秘書スタッフは半分がお休み。研究員達は、外国人研究者はカレンダー通りのようです。
 数年前、12月25日のクリスマスの日にカレンダー通りに研究室のセミナーを行ったら、外国人研究員から「信じられない!」といわれたことがありましたっけ。おそらく、日本人の感覚でいえば、1月1日の元旦の日に通常のセミナーをするようなもんでしょう。実際、アメリカもヨーロッパでも、1月2日からは本当に普通通りに働きますからね。
 「働くときはよく働き、休むときにはよく休む。」ということでしょうか?昼過ぎの午後1時頃から研究室に出現し、12時間ほど仕事や実験して、午前1時頃には帰って「自分は深夜まで一人よく頑張った」と自己満足しているあなた!午前7時頃に出勤してその日の午後7時までには帰宅するようなアメリカ人研究者と比べると、仕事や実験している時間は全く同じでも、時間帯的に他の人との議論などとの相互作用を取りやすかったり、帰宅後の時間の有効活用しやすいのはどちらかかというのは一目瞭然ですね。
 教授は、もともと「朝型」ながら、年を取ったせいもあって、今は大体午前5時か5時半には起きて午前9時くらいまで仕事しています。3時間くらいは集中して仕事ができるのが大きなメリットでしょうか?欠点は、出張などで夜早く寝れない日が続くと睡眠不足の蓄積により、居眠りが多発して結局心臓に負担がかかってくる気がします。
 あるマラソンのコーチがテレビで言っていたことを思い出しました。。「マラソンは、練習すればするほどマラソンに勝てる確率ガ高くなるなら、こんな簡単なことはない。練習しすぎると、本番の大会で疲労が出てしまったり、踵や膝を怪我したりしまったりして本番に出場できなかったりさえする。一方、練習が不足すれば、もちろん勝てるわけがない。そこで、練習してよい限度の線を決めて、その線のどこまでぎりぎりに練習できるかの戦いです。」と。
このマラソンコーチの言葉は、なんか研究の仕方にも似ているところがあると思います。また、人生の歩み方にも通じるところがありますね。
 「がむしゃら研究」の競争じゃ、確かに超一流同士の競争には勝てる分けはないです。超一流どころは、当然いっぱいいっぱいのギリギリのところまで仕事をしており、その中での競争ですから。
 では、どうしたら超一流どころを勝ち抜いていけるのか? 正直、教授にも本当の解はわかりませんが、敢えて言えば、とにかく「Think, think, think!」の徹底的に考えることと、自分の興味の範囲を越えようとする努力をすることでしょうかね。
 もうひとつは、みんな自分が忙しいと思っているので、忙しいと敢えて思わないことです。特に、ポストドク研究者や大学院生でそう思っている人達が結構多いように思います。実験で忙しい、セミナーや学会準備で忙しい、論文を書くのに忙しい、・・・。しかし、そんな本業ができることは、「忙しい」と言いません。研究の現場では、本業以外のことが本業を圧迫することを、「忙しい」というのです。その意味では、助教の人はもっと忙しいし、准教授の先生たちはもっともっと忙しい。教授の先生たちに到っては、「どうしたらいい研究や教育ができるか」の議論や会議などで、どうしようもなく忙しいのです。「どうしたらいい研究や教育ができる」かって?「そんな議論を即刻止めて、自分達自身がいい研究や教育をやれよ〜!」という声が聞こえて来そうです。その通り。しかし、それをみんな分かっていて、議論や会議をしなきゃいけない現実があるのです。
 大学院生やポストドク研究者の皆さん、いまのあなた達の「時」が最高に研究できるときです。「忙しい」と思わず、研究を楽しみ、いろいろなセミナーに出たり他の研究者と相互作用したりして、一回りも二周りも大きな研究者を目指してください!!体重のことではないので、くれぐれも誤解のないように。