啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(木) 本庶佑先生の偽情報に京大ホームから声明

 数日前に、教授が主務とするサウジアラビアの大学KAUSTのスイス人の学部長から急遽メールが入りました。「Dr. Honjoが新型コロナウイルスは自然にできたものではなく、人工的に作られたものだ。・・」という趣旨の英文のニュース記事が一緒に載っていました。

 本庶先生とは、当時の総合科学技術会議で約6年間に亘って一緒に仕事をさせていただいてよく知っているので、「そんなはずはないし、日本のニュースでもそんな話は聞いたことがない。」とすぐに返事した次第でした。

 そして、今日、いろいろな日本のメディアが、このニュース偽情報のことを報じるとともに、京都大学のホームページを通じて本庶先生が英文の声明を出したということを知りました。

 偽ニュースは非常によく出来ていて、まさにそういうことも言うのかなと思うぐらいの巧妙さでした。これは、「えっ!」とは思うものの、「そうなのかな。」と納得しそうな妙に説得力のあるような書き方なのです。その分、非常にタチが悪いのです。

 したがって、いち早く英文にて京都大学のホームページを通じて本庶先生ご自身による声明が出されたことは、非常に良かったと思います。

 現在、情報発信の方法が多様化して来ているとともに、誰でもが検証されることもなく直ちに情報を発信することができるようになりました。いわば「国民総ジャーナリスト」のような状況ができて来ています。したがって、このブログでもそうですが、表現の自由の根底には情報発信者としての責任がいつも発生していることを心しておかねばならないと思います。


Dr. Tasuku Honjo’s statements from Kyoto University.


https://www.kyoto-u.ac.jp/en/about/events_news/department/koto-kenkyu-in/news/2020/200427_1.html